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昨日からはまっている本があります。
松岡正剛著『日本流』。
きっかけは仕事でした。
ある新ブランドを立ち上げるのに、
松岡正剛の考え方を機軸にして企画しようということになり、
恥ずかしながら私はこの人のことを全然知らなかったので、
まずは著作を読んでみようと手にしたのです。
そしていきなりのめりこんでしまいました。

いやぁ、すごいのなんのって。
日本が好きで、そして日本を憂えんでいる著者の想いがバシバシ伝わってきます。
著作権の関係があるだろうから、あまり詳しくは書けませんが、
例えばこのような記述があります。

まず、GLAYの『毒ロック』という歌の歌詞を紹介しています。

だいぶ絡廻った身体中のSympathy
ダイブ5秒前
理性強制終了 ラバーソウル原動
Help me god Go to Hell
Help me god Go to Hell

続いて、解説です。
「驚いてはいけない。呆れてもいけない。
この歌詞を数百万人の日本人が夢中になって聞いているのです。
“Hell”が大文字で“god”が小文字になっているなどということは、
かれらはいっこうに気にしていない。
「だいぶ」と「ダイブ」の韻をふませたい、ただそれだけである。
けれども、このような言葉の用法を目くじらたてて叱ることはない。
私はそういう用法の中にひそむ日本を見ておくべきだと思っています。
これは「日本流」なのです。
(中略)
歌詞はヘタクソで、西条八十や野口雨情にはむろん、
阿久悠にもなかにし礼にも阿木燿子にもとうてい及びはしないものの、
そのかわり室町の『閑吟集』や西鶴の連句や宝暦天明の狂歌や川柳には通じている。
そこには二重の意味、多重の意味をこめたいという意図もある。
これはもともと日本人が連歌や俳諧をやりながら「見立て」という趣向を駆使したのですが、
そういうことにもつながって見えるのです。」
とまぁこんな具合です。

この本の書評を覗いてみると、
「この本を読んでいるとたくさんのキーワードが出てくる。
見立て、目利き、超部分などなど。
どれをとっても語るのにたくさんのページが必要となる。
さらに、寄物陳思、不立文字、スモールサイズ感覚、祖霊信仰などが続く。
これだけ並べれば、興味のある人はこの本を手に取るだろう。
そう『日本流』は、日本文化の入門書でもあるわけだ。」
まさにそんな感じです。

上に挙げた事例はほんの、本当にほんの一部。
こういった紹介や解釈がこれでもかとばかりに機関銃のように攻めてきます。
その度に私は「そうだよな!ポンッ!」と手を叩きたくなり、
または「いやぁ、知らなかった!」と感心し、時には大笑いし、
ホント琴線に触れるって感じですね。

それにしてもすごい人っているもんだなぁ。
本屋では現代思想家というところに著作が並んでいましたが、
とにかく知識の引き出しの多さと、それらを自分の中できっちり咀嚼して、
その上で系統立てて持論を述べているところには恐れ入りました。
それに比べると私のブログなんて、と~ってもシンプルなものです。
もちろん松岡正剛のようになろうと背伸びするつもりもなく、
自分の身の丈にあった今の表現でいいとは思っていますが、
オギャーと生まれた人が大人になった時に、
知識量や理解力や表現力にこれほどのギャップができるのかと、
つくづく感心してしまいます。

ところで、私の今の仕事ですが、
「新ブランドの展開を考える上で、『設え』『もてなし』といった視点で捉え、
それらを表現するために、
余計な装飾を全てそぎ落としたシンプルな日本的なものをイメージできる
文言や写真や絵図やイラストを集める」というものでして、
結構難儀していますが楽しい作業です。
こういう苦労はするだけ自分の身になるものでしょうから、
ありがたいことだとも感じています。
さて今日も山ほどの資料を整理しますか。
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