先日、隣町の下呂温泉街にある「やまびこ」という店に入りました。
今のご主人のお父さん・中川栄太郎さんはこの界隈では有名人でして、
山菜採り、渓流釣り、キノコ狩りにかけては一目置かれている方です。

私が栄太郎さんのことを知ったのは一年ほど前のことです。
栄太郎さんはキノコを採るだけでなく、
木製のキノコ標本を数多く手作りされているのですが、
その一部を加子母総合事務所に寄付されまして、
たまたま私が総合事務所を訪ねていた時に、
ロビーに設営中のところに出くわしたのです。

その時はマスコミの取材を受けてらしたので、私は遠巻きに眺めていましたが、
その後、総合事務所を訪問する度に標本を拝見し、
「細かいところまで観察しているなぁ。」といつも感心していました。
そして「もし要らなくなったら私が引き取るから!」と真面目に伝えてあります。
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ご家族でお店をされていることも知っていましたが、
なかなか行くタイミングを取れずにいたところ、
ようやく最近になって時間が取れたという次第。
店内は意外に奥行きがあり、たまたま私がその日初めての客だったらしく、
ご主人夫婦が丁寧に料理の説明をしてくれました。

私が食べたのはこれ、「キノコ鍋」です。
ショウゲンジ(タイコノバチ)、シロシメジ、ウラベニホテイシメジ、サクラシメジ(アカゴケ)、スミゾメシメジ、ムラサキシメジ、クリフウセンタケ(シバカブリ)、カラスマイタケ、ハタケシメジ、アミタケ、ヤマドリイグチ、ホウキダケ(ネズミダケ)が入っていました。
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これで3000円をどう評価するかですが、希少価値を考えると多分妥当なのでしょうね。
(仙人小屋だともう少し安くなるかな?でも「キノコ鍋」というメニューはなかったと思う。でもリクエストすればきっと作ってくれると思う。)

そして私が食う傍で、栄太郎さんがムラサキシメジの標本を製作中でした。
製作中の邪魔をしてはいけないので、黙って眺めていただけですが、
飄々とした仕草に深みを感じ、尊敬と羨望の気持ちが湧いてきました。
こういう状況にいて、私がムラムラとこないわけがありません。
店と栄太郎さんが私の背中を押してくれました。

ところが、一方で迷いも出てきました。
正直に書きます。キノコ鍋を食べていて、心底「美味い!」とは思えなかったのです。
誤解のないように説明しますが、決して味付けが悪かったわけではありません。
繰り返しますが、お店には全く落ち度はありません。
実は以前から自分自身の感覚に気づいていました。

「キノコってそんなに美味いだろうか?」

私は今の心境を正直に書きますと、「びみょう・・・」というところです。
確かにキノコ類は好きです。ものによっては香りも味も歯ごたえも良いです。
でもこれが無いと駄目だというほど執着するものでもない。
「キノコ」と聞いてよだれがじゅるじゅる出ることもない。
その点、9/29に書いたB級グルメの料理名を聞く方が明らかによだれが出ます。

では何故私はキノコを追おうとするのか?
ショウゲンジに淡々とかぶりつきながら考えました。

それはきっと「キノコがなっているのを見つけた時が嬉しい」からだと思います。
つまり、見つけた時にほとんど達成感を得てしまっているわけです。
その気分を味わいたくってキノコを追っているのかもしれません。
格好良く言えば、「ハンターの気質」みたいなものか。
そしてその達成感を最近得ていないので、逆に足が遠のいているのかも。

そしてもう一つは「意地」です。
せっかく仙人小屋で学んだのだから、その知識とノウハウを失いたくない。
あるいは弟子入りしたというプライドでしょうか。

でも残念ながら、知識は相当減りました。
また簡単にキノコをゲットできないということもあり、
「秋にはキノコ料理を出す」と言っていたのですが、
「キノコも出す」という表現に変えています。
今やそんなプライドなんてものはズタズタですね。
・・・ここで意地はちょっと脇に置くことにします。

そこで結論。
「グダグダ言わずに山に入る」ことにしました。
今、このブログを入れたら行ってきます。
では。