一泊で名古屋に仕事に出ておりました。
夜は二人の先輩コンサルタントから
「最近見つけた面白い店があるから。」と誘われ、ついていきました。
街の灯りから少し離れたところにひっそりと佇むその店のドアを開けると、
・・・そこは不思議な世界でした。

一見はいかにもローカル御用達の風情。決してお高い店ではありません。
カウンターとテーブル席を入れても15席ほどのその店は
既にほぼ満席になっておりました。
中に入っていく私たちを一瞥する先客たちは、ほとんどがご老人でした。

ちょっと肩身の狭い思いをしながら席に着き、
落ち着いてから先客さんたちを眺めると、皆さんお洒落しています。
特に女性陣の気合いが入っていましたね。
ラメやビードロ系のドレスを着ていたり、宝石を身につけていたり。
男性もシルクハットを被っていたりして、
ジャケット姿からも思わず「寅さん!」と声を掛けたくなりました。

先輩コンサルが今回3回目の来店と知り、少しは認めていただいた様子で、
ようやく場が和んだところでカラオケタイムが始まりました。
トップバッターは『高校三年生』です。
何だか私は頭がくらくらしてきました。

その後も私の知らない歌が延々続きました。
まず驚いたのは、みんなお上手!お世辞じゃないです。マジ歌いこんでる。
その証拠に、歌っている間は完全にその世界に入っています。
陶酔していると言ってもいいでしょうね。

私は何を聞いても知らない歌ばかりですが、例えば『お別れ公衆電話』
お洒落した二人のおばあちゃん(失礼!淑女)が、
まるで昔の松田聖子のようにうきうきしながら歌っておられました。
隣の先輩も、
「この歌が流行った頃は、この人たちもピチピチしていたんだろうな。」
と感慨深げ。
私は「いやいや、今でもピチピチしてるよな。」と感心しておりました。

彼女達の同世代の何割かは既に介護関係の施設に入っているかもしれない。
片や施設で職員に促されて童謡を歌う人々。
そして片や、場末のスナックでドレスを着て、はしゃぐ人々。
どちらが心から楽しんでいるかは見て分かります。
これからの高齢社会を考えるに、とても良いシーンを拝見しました。

ところでこんな世界で私は何をしていたかといいますと、
先週の日曜に痛めた喉がまだ治らず、ガラガラ声がひどい状態でした。
それでも何も歌わないのも癪なので、本をひっくり返して探しておりましたら、
ありました。こんな喉でも歌える歌が。
『酒と泪と男と女』を普通に歌っただけで、そこそこ受けました。ほっと一息。

もっとすごいのが先輩。周りの世界に構わず、ひたすら松山千春を歌い続け、
最後には得意のカントリーソングで締めておりました。
「だって、同じ演歌じゃ勝負にならないでしょ?」とのこと。
そういう見方もあるかと、それはそれで納得。
ということで何故か突然、カラオケモードに入っているここ数日です。