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とても素敵な出会いの旅から戻ってきました。
向った先は、滋賀県豊郷町にある、油藤商事さんです。
見た目は普通のエネオスのガソリンスタンドですが、
やっていることが違います。詳しくは油藤商事さんのサイトをご覧ください。

私の今回の目的は「BDF100を購入すること」でした。
BDF100とは、天ぷら油などの植物性油を精製した液体を
100%そのまま使ったバイオディーゼル燃料のことです。
私はまだ詳しい知識がないのですが、
世間一般では、「BDF5」、つまりBDFを5%加えた燃料を使うことが多いらしく、
BDF100でディーゼル車を走らせる人はまだ少ないらしい。

私自身は、近々自車「善きかな号」をSVO化しようとしています。
SVOとは、天ぷら油を精製せずに、ろ過する程度で走られる様にするために、
エンジンに手を加える方法です。
これは法的の範囲で「仕様変更」するものであって、「違法改造」ではありません。

ただし、SVOについてはまだ大きな市場になっているわけではなく、
先駆者達が試行錯誤しながら情報交換して
レベルを高めているのが現状のようです。
それに、エンジンに負担をかけている感は否めません。
(某内燃機関会社に勤める知人の意見)

一方、BDFの方はエンジンの仕様変更無しで走らせることができます。
しかし、その燃料を精製するのにそれなりの投資が必要なのです。
もちろん業界の様々な軋轢(あつれき)があるだろうと想像できます。

ただこちらの方は「ビジネスチャンス」と捉える人も多いらしく、
ネットで調べるとそれなりに出てきます。

さて、SVO化するにあたって、「まずはBDF100でしばらく走ってみる方が良いよ。」
と、SVOのメーリングリスト『wvo』のメンバーからアドバイスを受けていました。
精製された燃料で走ってみて、
パイプからの漏れが出ないかといった状態を確認してから
仕様変更すべきだと言うのです。

そして、「BDF100なら油藤商事さんの質が一番だ。」と聞いていたので、
自宅からそれなりに距離はありますが、伺った次第。
(往復に多くの軽油を使っていることに多少の呵責を感じますが・・・)
事前に連絡しておくと、担当の青山専務さんが待っていらっしゃいました。

正直言って、「燃料を購入して、そこそこ立ち話ができればありがたいな。」
と願っていたのですが、着くなり、「まぁ、どうぞ。」と事務所に案内されました。
そしてそれから1時間半、いろんなお話をすることができました。

一言で言って、私は青山さんの人柄に惚れましたね。
この事業に取り組もうという姿勢や、物事を見る着眼点が見事です。
もちろん、想いを具現化する行動力も。

まずは、どうやってBDFが精製されるかのレクチャーを受けました。
サンプル品もあり、説明慣れされているようです。
カメラを向けると固い表情になりましたが、話し振りは柔らかい方です。
(以下、撮影と掲載の許可を取りましたので、数が多いですが紹介します。)
1青山社長

「私たちガソリンスタンドは、もともと環境に反した商売なのです。」
というお話から始まりました。
「でも、何か環境に配慮した活動ができないか?
また、この世でいつまでもガソリンが使われるわけもない。
次の世代に何を残せるか?を考えた時、
「油屋」だからできることは何かと考えたのです。」

「私は4代目です。かつては椿油を扱っていました。
だから、今こうして植物性油を扱うことは事業の初心に帰るだけであって、
何も新しいことではないのです。」
2看板

「『お客さんに暖まってほしい。』
だから、灯油の代わりにペレットもお届けできないかと考えています。
ガソリンスタンドだからと言って、何も制限することはない。
むしろ、自分の地域で自分が何ができるんだろう?と常に考えているのです。」

いやぁ、見事ですね。

「廃油はどうやって集められますか?」と訊ねられた時、
「近くに下呂温泉がありますから、旅館からいただければと考えています。」
と答えました。すると、
「そういうところは既に廃油を何がしかの手段で引き取ってもらっているはずです。
多分、肥料にでもするのでしょう。
ということは、既に循環型システムは出来ているのです。
そこにmasanが割り込むことになります。
つまり、「現実には廃油は無い。」ということです。
私のところに来て、同じ事業に取り組もうとする方がぶつかる最初の関門がこれです。
大抵がこの段階で挫折されます。」

なるほど。

「儲かりそうだからやる、というのではなく、別の視点が必要です。
私の場合は、『ここで出たもので返す』という気持ちです。
この地域の工場や家庭で出た廃油を精製し、この地域で消費するという、
循環のしくみを作っただけなんですよ。」

いやぁ、その志(こころざし)や見事!です。
こういう人に出会うととても勇気をいただきます。
以前、徳島県上勝町で「葉っぱビジネス」を成功させた横石さんにお会いした時も、
同じオーラを感じました。

では、前置きが長くなりましたが、精製工場をご案内いただきましょう。
法律上、ガソリンスタンドでBDF100を販売することができないらしく、
少し離れた場所に移動します。
3工場看板

こちらが入り口。
4BDF工場

家庭から回収した天ぷら廃油が置いてありました。
5回収した廃油

それを取り出し、こし器でろ過します。
6廃油を出す

ポンプで一次タンクに移し、
7一次貯蔵タンク

遠心分離機にかけ、
8遠心分離機

途中で、メチルアルコールと水酸化カリウムを加え、
脂肪酸メチルエステル(粗バイオディーゼル)とグリセリンに分離させます。
9攪拌する

送られた先には精製装置があり、
91精製装置2

上部で混ぜて、
92精製装置上部1

下部で一旦蓄え、1日ほど置きます。(一番右の槽)
93精製装置下部

この右槽のうち、下に溜まったグリセリンは取り出し、
上の槽だけをポンプで持ち上げ、今度は水で洗浄すると、
より綺麗になった粗バイオディーゼルと洗浄排水に分かれます。

それをまた下部(真ん中の槽)に蓄え、また一日置きます。
こうして出来上がった完成油「BDF100」はとても綺麗で、貴腐ワインのような輝きです。
(一番上、青山専務画像の右端ボトルです。
 一番左の天ぷら油と比べて、サラサラしているのは素人でも分かります。)

それをまた一日置き、落ち着かせたBDF100をポリタンクに入れてくれました。
今回は余っていたポリタンクをサービスしてくれました。
お値段は1リットル105円。助かります。
94ポリタンクへ

こうして、我が家にやってきたBDF100、
帰宅して、今タンクに入っている軽油が無くなってから加えます。
「BDF100は言わば『天ぷら油から作った石鹸』のような働きをします。
つまり、タンクやパイプなどの内側のゴミを取ってしまい、
それが燃料フィルターを詰まらせることもあります。
ですから、フィルターの様子をよく観察しておいてください。」とのこと。

なるほど、wvoメンバーが「BDFで洗浄」と言っていたのは、こういうことだったのか。
こういう何気ないことを一つ一つ丁寧に説明してくれるのも素人にはありがたいです。

ところで、青山専務は私と会った翌日から3週間、海外に行かれました。
「バイオディーゼルアドベンチャー」と呼ぶプロジェクトを立ち上げ、
その活動に同行するためとか。
まさに世界に羽ばたこうとされています。すごいなぁ。
95バイオディーゼルアドベンチャー

青山さんの心意気と行動に接し、
元気をいただいたと同時に、頭の中が随分とスッキリしてきました。
本当にありがとうございました。BDFに対する見方も変わりました。
そして、これを機に良いお付き合いをお願いします。
「もしmasanの地域でこの事業を立ち上げるのであれば、応援しますよ。」
との言葉、真面目に受け止めていますよ。

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