これが何だか判りますか?
ホオズキの中に、直径2cmほどの黄色い実が熟しています。
ストロベリートマトs

これは「食用トマトホオズキ」です。
別名「ストロベリートマト」とも呼びます。
その名の通り、甘酸っぱいトマトです。
うちでは夏から今頃まで、ぼちぼちと採れています。
yamanoさんの超こだわり野菜でしたよね。


先日、とても懐かしい方と会いました。
その方・F氏との出会いを、差し支えのない範囲で書き留めます。

1983年、大学を卒業して上京した私は、
ある経営コンサルティング会社の営業として就職しました。
ところで「経営コンサルティングの営業」って、
どうやって売ると思います?

「え~、経営コンサルティング買わんかね?」と言って、売って歩く?
まさかね?
でもその会社は、そのまさかの方法で営業活動をする会社だったのです。
しかも固定給はわずか。あとは歩合制です。

加えて、営業エリアは基本的にノーテリトリーです。
つまり、地域のしばりがない。
だから都内に数十名もいる同僚営業が、先輩も後輩もがライバルなのです。
そしてクライアントに最初につばをつける、
つまり仕事をモノにした営業が担当になります。

変わっているでしょ?
でも決して怪しい会社ではありません。
コンサルティング内容はとてもまっとうな会社なのですよ。
営業スタイルが少しワイルドなだけです。

さてその会社の営業として都内をうろちょろしていた私、
新人で、しかも東京には何の縁もありませんでしたので、
最初は飛び込みで仕事を得るしかありません。
ですから、本当に冒頭のセリフのようなスタイルで、
飛び込みセールスを重ねていました。

今から思えば、それは仕事を取るという以上に、
度胸をつけさせるという意味合いが強かったように思いますが、
当時の私はかなりハチャメチャと言いますか、
無鉄砲極まりないヤツでした。

「よ~し、ならば一丁、大物を狙うか!」くらいの軽い気持ちで、
目の前にある会社に飛び込みました。
その会社は、学生の就職希望ランキングで常に上位に上る、
誰もが知っている超有名大手企業でした。

その会社の立派なロビーでうやうやしく出迎える受付嬢に向かい、
私はこう言いました。
「今日、社長さんはいらっしゃいますか?」
受付嬢「あの~、お約束でいらっしゃいますか?」
「いいえ、ちょっと通りかかったので、いらっしゃったらと思いましてね・・・」

そのあまりに馴れ馴れしい物言いに、受付嬢は少しひるんだようでした。
「誠に申し訳ありませんが、社長はただ今不在です。」
「そうですか。ならば総務担当の役員を出してください。」
またもやひるんだ受付嬢、一旦奥に引っ込んで、また出てきました。
そして言うには、やはり不在だとのこと。

少々いらつく態度を見せながら、私は再び言いました。
「ならば仕方ないですね。総務部長をお願いします。」
そして再び奥に引っ込んだ受付嬢から返ってきた答えがこうでした。
「あいにく部長も不在中ですが、担当の者が参りますのでお待ち下さい。」

私は誰に会えても良かったので、内心ラッキーと思いましたが、
その時に出てきたF氏と名刺交換し、とんでもないセリフを吐きました。
「あなたでは話にならないので、上司を出してください。」

何という失礼なヤツでしょうね。
突然やってきてこの言い草はないでしょう。
当然、F氏は怒りました。
そりゃそうですよね。

私はさすがに「こりゃまずい。」と感じ、謝罪した上で、
会社案内を始めました。
するとF氏、その場で私を追い返したらよいものを、
その後も私の話を聞いてくれたのです。

そして意外にも長々と面談していくうちに、
話は意外な方向に展開していきました。
それは、まさに私の勧めるコンサルティングのニーズが、
この会社にあることが判ったのです。

しかし、これほどの大きな会社。
研修施設もプログラムも講師も社内に揃っており、
創設以来、OBでもない社外に依頼したことがなかったのです。

ということは、私の勤めるコンサル会社にとっても、
今まで実績のないクライアントということになります。
しかもF氏は、「今後の話し合いによっては、おたくに依頼しても良い。」
とまで言ってくれました。

「ということは、もしかして超大物ゲット?」
心臓がはち切れんばかりに喜び、勇んで会社に戻りました。
当然上司は「よくやった!」と褒めてくれました。

ところが、そこで横槍が入りました。
「でもな、その会社の実績は確かにないけれど、
お前の先輩が既に営業を続けているぞ。」

先輩に訊ねると、それは本当でした。
先輩はF氏とは会ったことはなかったけれど、
F氏の上司や他部署にも広く営業をしていたのです。
ですから、実績はないものの、
今回の話は先輩に引き継ぐというのは順当な判断です。

「masan、よくやった。後は俺がきちんと仕事にするから。」
当然先輩は嬉しそうです。
自分の売り上げも、評価も、給料も手に入る訳ですからね。

一方、私は天国から地獄です。
でも、そもそもそんな大企業に誰も営業に行っていないと思うのが間違っています。
要は私が浅はかだった訳です。

そこで夕方、F氏に電話しました。
「本日は誠に失礼な態度に出てしまい、申し訳ありませんでした。
にも関わらず、良いお話をいただき、心から感謝しております。
しかし御社には既に他の担当が決まっておりましたので、
今回のお話はその者が引き続き伺って進めさせていただきます。
この度はありがとうございました。」

まさに一期一会。その電話で今生の別れをしたつもりでした。
すると、電話を切った数分後に、会社に電話がかかってきました。
「masanの上司を出せ。」とのこと。F氏からです。
怪訝な顔で電話口に出た上司に、F氏はこう言ったそうです。
「今日から当社の担当は、masanに替えてください。」

電話を切った上司からその話を聞かされた私と先輩は、
二人とも豆鉄砲を食らったような顔つきになりました。
「まぁ、クライアントの意向だからな。仕方ない。
この会社はお前が担当しろ。」
思いがけない展開で、私がその超大企業の担当営業になった瞬間でした。

その後、その会社からは本当にお仕事をいただきました。
創設以来、初めての外部コンサルというおまけまでついて。
やがて私はそのコンサル会社を離れ、F氏も異動で世界中を回られることになり、
会う頻度は随分と減りましたが、
年賀状を交わし合い、たまに会っては酒を酌み交わす仲になっていきました。

そして気がつけば25年が経ちました。
25年と言えば、四半世紀ですよ。
この間、お互いにいろんなことがありました。
その度に励まし合い、刺激し合いながら、
私たちは「友」になってこれたように思います。

私よりも5歳年上の方に対して、
しかも元「飛び込み営業」の失礼な人間が、元クライアントに対して、
一方的に「友」と呼ぶのは迷惑かもしれません。
でもそのように呼ばせてください。

今回、奥様も交えて、まさに酒を飲み交わし、
とても楽しい時を過ごさせていただきました。
もし、あの時に私があんなに強引な飛び込みをしていなかったら、
もし、Fさんが懐深く私を受け入れてくれなかったら、
「友」を育む熟成期間と、今回のような楽しい時はなかった訳です。

人生って本当に不思議で面白いものだなぁと、つくづく思います。
そして、そのコトと、Fさんに感謝です。
Fさん、これからも懲りずによろしくお願いしますね。

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