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私は今、久々の感覚を味わっています。
達成感というか、安堵感というか、穏やかな気分というか・・・
仕事の話はあまり書かないことにしていますが、今日はお許しを。

講習会講師の誘いがあった話は以前ちらっと書きましたが、昨日デビューしました。
ISO22000と呼ぶ、食品安全に関するマネジメントシステムの、
規格を丸一日かけて説明する講習会です。

ISOの講習会・研修会開催企業としては、たぶん日本を代表するT社。
この会社のブランチから「講師をやってみないか?」と声が掛かったのは、
わずか一ヶ月少し前のことです。

「えっ?私でいいの?」というのが率直な気持ちでした。
だって、ISOの講師になる人なんて、
かなりのキャリアを積んだ大御所ばかりなのだもの。
多分、審査員になるよりも相当厳しい門だと思います。
それに、特に食品安全の講師はこのT社でさえまだ数名です。
たぶん全国的に見てもそれほど人数はいないと想像します。

「ま、やってみなよ。」と軽く背中を押され、
「まずは先輩講師の授業をオブザーブしてください。」
と、参加したのが先月の中旬。

正直言って、「こんなの私にできるのか?」と慌てました。
審査員試験を受かったと言っても、合格ラインを越えれば良かった訳です。
つまり失点は許されました。

でも講師をするとなれば、100点を持っていなければなりません。
いや、受講生の期待に応えようとするならば、それ以上が必要でしょう。
つまり、ISOに関する多くの引き出しがないと十分に対応しきれません。

それでも、「これはものすごいチャンスかも。」と捉えることにしました。
どんなに審査員の経験を積んでいても、
こういう声が掛からない人は大勢いるのだから。

それに、確かにISOそのもののキャリアは少ないけれど、
「品質」と「環境」と「食品安全」の三つの審査員資格を持っています。
加えて、ISO以外の経営コンサルティングに関わった年数は
のべ25年ほどにもなりますし、様々な業界を渡り歩いてきました。

そして今では自ら企業経営をし、田畑を耕し、キノコを育て、岩魚を養殖しています。
兼業農家であり、漁業組合員であり、猟友会にも入り、
調理師免許を持ち、「飲食店」と「菓子製造業」の営業許可を取って、
自然食料品店を経営しています。

「こんな講師は日本中探してもきっといないだろう。」
と自分を鼓舞することにしました。

さぁ、それから講師を務めるための猛勉強が始まりました。
自分にとって弱いところの微生物学、法令などの本をかき集め、
ネットで最新情報を集め、それらを読みあさり、
そして最後に臨んだのが、「自分だけのマニュアル作り」です。

この「アンチョコづくり」はどうしても必要だと感じていました。
「厚さ1cmほどのテキストのどのページの時、
160ページほど準備されたパワーポイントのどのデータを開き、
『規格』と呼ばれるバイブルの様な難解な本のどこをどううまく解説するか?」
結構難度の高いテクが要求されます。

そして朝から夕方までの丸一日、受講生を机に貼り付けさせる訳ですから、
飽きさせずに、しかも理解してもらわねばなりません。
彼らが職場に戻ってから実際に使えるノウハウを伝授する必要があります。
それにはアンチョコ無しではとても臨めません。

さて、上に挙げた作業をするのに最大の難関は「時間」でした。
何といっても我が家はKAN太が生まれたばかり。
日中、U太は私にベッタリ。
どうするか?

夜中、早朝、そして時々は恵那の親の家にこもって、
最後には逆に家族に実家に戻ってもらって、集中して作業しました。
そして出来上がったアンチョコは、A4版で30ページにもなりました。

これが一旦出来上がって、ようやく「これで何とかなる。」と目処が見えました。
そして最後の仕上げがリハーサルでした。
実際にアンチョコを使って模擬講習を一人でしました。
一通りさらっと流しただけで、ざっと4時間!
本番で本当に時間内に終了できるのか?

時間配分という課題だけが残りましたが、もうやってみるしかありません。
そして迎えた当日。受講生が集まってきました。
それぞれ企業でこれからISO22000を推進していく方々ばかりです。
加えてもう一人。T社から社員がやってきました。
そうです。私を評価するためです。

やがて始まった講習会。
アンチョコを駆使し、時々受講生を当てながら、笑いも誘いつつ、
できるだけ平易な言葉で進めるように努めました。
そして最後の切り札が「地図」。

難しい言葉がちりばめられ、それぞれの関係が分かりづらい『規格』の条項の、
相互関係を一枚の紙にまとめたシートを、
書籍をベースに私なりにアレンジして作成していました。

それを何度も説明しながら、
「今、私たちはどこにいるのか?」
「それが他の条項とどう結びつくのか?」
を刷り込むように説明しました。

やがて何とか時間きっちりに終了。
最後にアンケートを配布します。
さぁここでどのように受講生が受け止めたかが分かります。

コースが終わった時の皆さんの表情からは、
「そんなに不満気ではなさそうだな。」とは感じていました。
終了後、次々に名刺交換にやってこられ、自社の悩みを相談されました。

そして全員が部屋を出ていって、すぐさまアンケート用紙を読みます。
「講師評価」
5段階評価で、3割の人が「大変満足」、
残り全員が「満足」に印をつけてくれていました。

他の質問項目でも概ね良い評価をいただきました。
そして自由記入欄には、
「楽しく、皆のレベルに合わせて、わかりやすかったです。」
「地図はとてもわかりやすかったです。財産となります。」
「人柄の良い先生で、よいセミナーでした。」

それを見て、本当に肩の力が抜けました。
ありがたいです。

後ろでオブザーブしていたT社の人も、
「安心して見ていられましたよ。」と褒めてくれました。
でもさすがは本部の人、その場で細かい「指導」が入りました。

「あそこの説明で、この部分が抜けていましたね。」
「この条項の説明はあれだけでは不十分でしたね。」
その指導数、数十箇所。
はい。よーく自覚しております。
これからもたゆまぬ精進が必要ですね。

二人に共通した感想は、「今回は受講生に恵まれましたね。」ということ。
とても素直な、そして熱心な方々ばかりでした。
これには心から感謝です。

ということで、何とか無事デビューを終えました。
そしてこのコース、再来年までのオファーが入りました。
この秋の大きな山を越えましたが、
いつものことながら一つ山を越えると、目の前にまた山脈が見えます。
少しずつ、少しずつでも前に向かって歩み続けていきたいものです。

今回、講師への道に導いて下さった方々、
参加された受講生の皆様、
そして協力してくれた家族へ。
ありがとうございました。

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