以前ちらっとご紹介した「愛農(あいのう)かまど」。
かつては日本中で作られたそうですが、その後見られなくなり、
それを復刻して普及され始めたのはつい数年前のことらしいです。

少ない薪で二つの火元とオーブンを持つ優秀なかまど。
これこそ私が「こんなの欲しいなぁ~。」と願っていたものでした。
でも作り方が分かりません。
幾つかのサイトで見つけたけれど、肝心の中身が分からないのです。

「実はただのブロッグ積み上げ式なのかな?ならば簡単じゃん。」
と高をくくっていましたが、どうもそうではならしい。
今回この愛農かまどを作るワークショップ広島で開かれるというので、
その日に合わせてミニブタ引き取りの日程を組んだのでした。

Iさんのお宅を出発して移動すること30分ほど。
この日までに既にIさんたちがある程度までレンガを組み上げておりました。
この途中までの出来上がりを見て、
「こりゃアカン!」と私は直感的に悟りました。
私が一人でできるようなレベルではないと分かったのです。
1途中のかまど

私はまずセメントを練るという作業がいい加減です。
加えて均一にレンガを載せていくのは実は大変なのです。
ですからIさんの仕事ぶりを見て、
「これは結構やり慣れていらっしゃるな。」とすぐに分かりました。

しかも「ここまでは簡単だけれど、この先が大変」なのだそうです。
その意味はこの木型を見て理解できました。
最終的にこの木型をはめてレンガを組んでいくのです。
つまり曲線の連発です。
こりゃアカンわ!
2木型

実は上の木型こそが愛農かまどのノウハウの集積らしく、
これまである職人さんが持っていたのを、
もう捨てようとした時にたまたま見かけた三重のNさんが、
「ちょっと待った!」とストップかけたことで、
愛農かまどづくりが首の皮一枚で残ったのですと。

今回そのNさんを招いて、最後の仕上げをするというのが、
今回のワークショップの目的です。
ところが上の木型。実はくだんの「首の皮一枚残った木型」ではないのです。
これは今回Iさんたち広島のメンバーが、入手したデータを元に、
自分たちで準備したものだったのです。すごいことです。

そしてしかもレンガを組んでいく一段ずつに図面化されていました。
もと設計士だというKさん、すごいです。
ますます広島人に脱帽です。

さて今回の仕上げにあるパーツを使いました。
それはドラム缶の一部です。
それ用に切り取られたドラム缶がテーブル代わりに置かれておりました。
中にゴミを入れることもできますね。
なんだかお洒落。
3切り取られたドラム缶

そしてワークショップが始まりました。
皆さんとても熱心にメモを取ったり、写真を撮っています。
これからきっと広島で愛農かまどが広がっていくのでしょうね。
4熱心な人々

仕上げのセメントワークを見せるIさん。
やっぱり腕が違うわ。
5セメントワーク

木型に合わせてレンガを切るIさん。
カッコイイですね。
6レンガを切る

一方、先日泊めていただいた坂本さんご夫婦は、
ロケットストーブ型のキッチンとぬかくどで調理しながら
皆さんに説明していました。
勢い良く火が立つ姿に驚く人々。
籠のように見えるのは、
Iさんの奥様Mさんが竹から作った「スタードーム」です。
広島人、何でも作っちゃいます。
7ロケットストーブプレゼンテーション

釜で作った混ぜご飯、美味しかった!
8ご飯を炊く

一方、実はこの日に「ミニブタ引き渡し式」が行われたのですが、
私が油断した隙に、私たちより先に餌付けをして
気を引こうとしている、宮城の倉田さん。
しかもかみさんの作ったクッキーで誘い出しております。
「あっ、見つかった!」
9餌付けする倉田さん

今回私たちはオブザーバー的な立場でしたが、
「masanたちは天ぷら油カーでやって来られたのです!」
と紹介されたこともあり、次々と質問にやって来られたので、
「ならばプレゼンしましょうか?」と提案。

よきかな号を持ってきて、即席の説明会をさせていただきました。
それまでは「お客さん的」で少々居心地が悪かったのですが、
このイベントのおかげで私の気も晴れました。

お昼時には何と演奏会が!
10ランチ演奏会

しかも楽器をよく見てみましょう。
聞いたところでは、廃材を使った楽器だとか。
いやはや広島人、本当に何でも作ってしまいます。
私の辞書に新しい文句が加わりました。
「広島人は何でも作る」
11てづくり楽器

食後も着々とワークショップは続きます。
いよいよ木型をはめる段階にまできました。
12木型をはめる

もう間もなく完成かな?
13完成に向けて

ところがこの頃には私たちが広島を離れる時がやってきました。
その後の動きを考えると、早く移動しないとかなり遅くなるのです。
そこで皆さんにお別れのご挨拶をして、ミニブタを乗せていざ出発!

それまでにも数名の方が親しげに話しかけてくれました。
いろんな話題を重ね、分かれ際には「今回お会いできて嬉しかったです。」とも。
ありがたいですねぇ。
快晴にも恵まれ、本当に良い時を過ごさせていただきました。

ところで、冒頭から「こりゃアカン!」宣言をしてしまった私ですが、
うちの愛農かまど作りはどうするか?
私は私たちなりのやり方で進めようかと考えています。
それは「全て自分たちで背負ってやろうとしない」スタイルです。

三重のNさんとは何度かゆっくりとお話する機会に恵まれました。
加子母でのwvoオフ会&公開勉強会に来てくれた三重のSさんとは
ほんのご近所で、今回私たちのことは会う前からご存知だったこと。

そもそも愛農かまどのノウハウである木型を作ったK職人が、
86歳というご高齢ですが、人間的にも素晴らしい人らしいこと。

そして何よりもNさんのお人柄が素晴らしいことに感動しました。
全然偉そぶらないで、懐が深い方なのです。

そこでNさんにお願いしました。
「一度三重に伺って、Kさんとも会わせていただけませんか?
その上で、私たちの愛農かまど作りの指導をしていただけないでしょうか?」
「もちろん!」
Nさんは快諾してくださいました。

ですから私たちはまず三重に伺うことから始めようと思います。
そして、多分加子母第一号はもりのいえに作ることになるでしょうが、
その作業を何段階かに分けて通しのワークショップにしようかと考えています。

さて今回の「新春広島の旅」で得た大きな資産を、
これから私たちがどうやって活かしていけるか?
本当に楽しみになってきました。
ともかく今回お世話になった皆さん、ありがとうございました!