いよいよ今年の田植えが始まりました。
例年に比べると2週間以上早いです。これは、
今年の季節の移り変わりがちょうどそれくらい早まっているように感じることと、
種籾の発芽の一部をハウスにお願いしていたために
苗が早めに育ってきたこともあります。

我が田んぼの脇には「田の神様」がおられます。
普段は草に隠れて気づかれずにいますが、こういう日は主役です。
しっかりと「田」の字が刻まれております。
1田の神様

「今年もよろしくお願いしますね。」
神妙に、簡単に儀式を済ませます。
2祈る

田植えの前にすべき作業がいくつかあります。
まずは、畦の補強です。
本当は畦塗りをしっかりすべきなのですが、
ま、ぼちぼちやりましょうということで、
とりあえず足で側面を踏んで固めてもらいました。
3畦を固める

そして今度は数日前に刈った草を田んぼに入れます。
本当はもっと早めに刈っておいて、乾燥した草を敷くのがベストですが、
今回は急に田植えの日程を早めたため、まだ生乾きの草です。
4刈った草を入れる

それらの草をしっかりと敷き詰めて、さていよいよ田植えです。
横に並んで、鎌を持ち、植える場所の根を切りながら、
一本ずつ植えてはしっかりと押さえていきます。
そして苗を中心にして直径10cmほど空けて草でマルチします。
本来ならば草を根元近くまで敷きたいところですが、
まだ草が生乾きなので熱を帯るかもしれず、その対策です。
5田植え始まる

はい、皆さん!顔を上げて!
若い女性の田植え姿っていいですねぇ。いや、偏見ではなく・・・
6顔上げて

午後からは近所の牛飼い・タカシ君も手伝いに来てくれました。
自分の仕事も忙しいだろうに、それでも来てくれる気持ちが嬉しいです。
7タカシ君来る

この日はハウスで芽出しした(1)緑米だけを植えました。
思ったよりも時間がかかったけれど、
一本ずつ丁寧に植えてくれたので、心がこもっていることでしょう。
何だかワッフルみたいな田んぼですね。
8ワッフル田んぼ

あらかたはウーファーやタカシ君に任せて、
私は春に種おろしした苗床のメンテに集中していました。
一見してどれもあまり芽が出ていないようでしたが、
種類別で結構差が出ていました。

(2)紫米は30~40本ほど出ていました。
それだけの分量が出れば十分です。
今年はしっかりと増やします。

京都から来た(3)神事用の黒米はほぼ全てが芽を出していました。
これは楽しみ!どんどん増やしましょう!

同じく京都の(4)神事用赤米の地植えしたものは全滅でした。
でもこちらはハウスで芽出しをしてもらっていたのが6本出ていたので、
それを植えました。

神丹穂(かんにほ)と呼ぶ種も全滅。
4月26日に霜が降りた時にやられたか?
こちらはハウスにお願いしていなかったので、今年は断念です。
これも何かの縁でしょう。

地植えしたうちの緑米と(5)黒米はぼちぼちの出です。
これらは例年通りの成長度合いです。
もう少しこのまま置いておきます。

ちょっと迷っているのが(6)内モンゴル米です。
実はこいつが一番芽出ししていて、調子が良いのです。
でもねぇ。内モンゴルの米を日本で増やしていいのだろうか?
目の前で生き生きと育つ苗を見ながら悩む日々です。

ともかく、これらの苗は地植えのまま、しばらく様子を見ることにしました。
間違って足を入れないように、杭を立て、麻紐を張ります。
これって結界のようですね。
9結界


もちろん、(7)加子母百年米も植えました。
田んぼの端には植えず、中程に移植です。
しっかりと抑え、草を周りにかけて、「丈夫に育てよ!」と声を掛けます。
こいつはまさに今年の稲作の象徴ですね。
10百年米

今年は田んぼの面積を倍近くに増やしました。
「でもその割りに苗の数が少ない。」と前回のブログで書いたところ、
広島のハダさんが「余った苗を送りましょうか?」と名乗り上げてくれました。

迷わずお願いして届いたのは、
「(8)黒米と(9)ヒノヒカリのブレンド」だということです。
ヒノヒカリはかみさんが欲しがっていた品種です。
こうやって、「願えば叶う」が実現していくのですね。
お影で広がった田んぼに十分の苗も揃いました。
ハダさん、ありがとうございます!
11秦さん苗

こうして始まった今年の田植え。
順調にいけば、3~4日後に完了することでしょう。
しかも、今まではほとんど私一人で行ってきたこの儀式。
今年はほとんどが他の人々の手によって進んでいます。
そういうのもこれからの私たちの姿を暗示しているように思います。

そしてもう一つの変化が。
これまでは「稲は日本人の心」とこのブログでも書いてきましたが、
外国人が大勢やってくるようになると、ちょっと説明に困る場面が出てきました。
今回も二人のシンガポール人が手伝ってくれていますが、
彼女達に「田植えは日本人の心の儀式だ。」と言っても、いまいち伝わらないのですよ。
彼女達だって米を食べるしね。

そもそも、本当に「稲(米)は日本人の心」なのであろうか?
あまりよく分からないままに、自分の感覚で言っていたようにも思います。
そこで、頭の中が整理されるまでは、次のような言い回しに換えることにしました。
「稲作は私の心だ!」
これだったら、私個人が感じることなので、周りに迷惑(?)をかけません。
自分サイズで物事を語ることで、少し気が楽にもなりました。

ということで、この先もぼちぼちと田植えは続きます。
しかも今年は何と!9種の米を育てることになりました。
とても小さな面積なのに、まるで「実験農場」です。
これもまた楽し、であります。