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2005.11.28 淀屋橋
今日、職場上司のA氏と共に、
地下鉄御堂筋線をなんばから梅田まで移動していた時のことです。
扉の近くでポソポソと仕事の打合せをしておりましたら、
前の席に座っているおばあさんがニコニコとこちらを見ております。
軽く会釈を返して、その後は無視しておりました。

するとしばらくしておばあさん、いきなりA氏に尋ねました。
「今、淀屋橋を過ぎましたよね?」
きっと降りそびれたのだろうと思い、
「ええ、今、淀屋橋駅でしたよ。」と私が応えたのですが、
おばあさんの意図はそうではなかったようです。

「私ね、この50年間で3回、淀屋橋に飛び込んだんですよ。」と語り始めたのです。
最初は何を言っているのか分からなかったのですが、
どうも長い人生の中で辛い事が多かったらしく、身の上話をし始めました。
「私はもう80になりますけどね、3回飛び込んでね。
だから淀屋橋を通るといつもそれを思い出すんですよ。」
と涙を浮かべ始めました。
どう返していいか分からず、ただ「はぁ、そうですか。」と応えるA氏と私。

梅田で降りる時には涙もおさまり、逆ににっこりと笑って、
「お仕事、頑張って下さいね。」と励ましてくれました。
降りてからしばらく黙っているA氏と私。
おもむろにA氏が「あのばあさん、確かに『3回飛び込んだ』って言ったよね?」
「ええ、ホームに飛び込んだんでしょうかね?で、3回助かったと。」
「う~ん」と言ったきり、また黙るA氏。

私は私で、「50年前に地下鉄があったのか?
ホームじゃなくて、淀屋橋から川に飛び込んだのかな?」
と、他のことを考えてみたりしてました。
でも、さっき調べたら、地下鉄は昭和8年に開通していたから、
ホーム飛び込み説もありえないこともない。
それにあのおばあさんの涙は本物らしかったし、
どちらにしても辛くて飛び込んだことは間違いないようです。

でもあのおばあさん、何で私達に声を掛けたんだろう?
話を聞いてくれるなら、相手は誰でも良かったのかな?
時間が経つにつれて、あの一瞬の出来事がまるで夢の世界だったかのように、
感じられてきました。
今から思えば、あの会話の間、私たちのいるスペースだけフルカラーで、
周りは全部モノクロに写っていました。
おばあさん、暖色系の明るい服装で、輝いておりました。
淀屋橋から梅田までたった一駅の間に、いろんなドラマを観た気がしました。
あるいはあのおばあさん、妖精だったのかな?


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