FC2ブログ
ウーフ・ホストになって、
ウーファーを10名程度しか受け入れていないのだけれど、
「ウーフ・ホストの心得」っぽいものが
それなりに見えてきたことがあります。

最近は下呂駅までウーファーの送迎をすることが多く、
自宅から車で20分という時間が、
コミュニケーションを取るのに都合がいいことに気づきました。

先日もニューヨークの二人組を下呂駅に送る途中、
こちらから質問しました。
「率直に言って、もりのいえでのウーフはどうだった?」

すると、エイドリアンから即答が返ってきました。
「まず、“easy of life”の発見が大きかったよ。」
easy of lifeって何だ?と思いましたが、彼が補足説明するのを聞いて、
「足るを知る暮らし」のことだと理解できました。

「何事も最初に購買することで欲求を満たすのではなく、
実は自分たちの足元に答えは沢山あって、
その方がより快適で楽なんだという気づきがあったことが大きかった。」
と言っているのです。なるほど。

これは、私たちが昨夏に作った「もりのいえ物語」を
三夜に分けて翻訳しながら説明したのが良かったのかも。

続けて彼は言いました。
「僕たちにとって、ウーフは三軒目だったけれど、
過去の二軒では、ホストのビジョンを示されることはなかった。
ただ、『この作業をしてくれ。』と言われただけだった。」

「でもここではホストがまずビジョンを説明してくれた。
そしてその上で、『明日、あなたにはこの作業をしてほしい。』
と明確な指示があった。お陰で僕たちが何をすればいいのか、
それがホストのビジョンにどう、つながっていくのかを自覚することができた。
それは僕たちにとって、とても心地良いアプローチだった。」とのこと。

ふむふむ。私たちが言わんとすることをしっかりと受け止めてくれたようです。

また、ジョシュアはこんなことを言っていました。
「masanは、一日が終わった時、『皆、よく頑張ったね。』とは言わない。
『カリンは暑い中、草刈りをしてくれたね。ジョシュアは薪を作ってくれた。
シオンは夕食を作ってくれた。そのことはとても有益だったし、
私たちはそのことにとても喜んでいるよ。ご苦労様。ありがとう。』と言ってくれる。
そう言ってくれることがとても嬉しくて、だから次の日も頑張れるんだ。」

他にもこんな話を一番に挙げるウーファーも数名いました。
「何よりもパートナーシップが大切だよ。
夫婦であれ、恋人であれ、ホモやレズであれ、
パートナーシップが築かれておれば何だってできるし、
築かれなければ、何にもできないよ。」

私たちは2004年に三ヶ月、
オーストラリアとニュージーランドにウーフしました。
その時に得た経験が今に生きています。
エイドリアンやジョシュアたちが語った感想は、
当時のホスト達から学んだノウハウです。
私たちはそれを次の人たちに伝えているだけです。
そして、「次はあなたたちの番だよ。」と語るだけです。

ウーファー達は頻繁に「inspire (インスパイア)」という単語を繰り返します。
これは、「刺激を受けた」「動機づけされた」と解釈すればいいでしょう。

ニューヨーカーが去った後、ベルギー人のリンが語ってくれました。
「エイドリアンが言っていたのだけれど、
彼らはもりのいえに来る前は、
ここでのウーフに何も期待していなかったのですって。
だから『こんなにインスパイアされるなんて、想像もしていなかった!』
と、とても驚いていたわよ。」

リンやクミコさんもしきりにこの単語を使っています。
彼らにとって、もりのいえでウーフしたことが、
人生をより豊かにするきっかけになったとしたら嬉しいですね。

また、ウーファー達にしょっちゅう言っていることがあります。
「完璧なんて目指さなくてもいいんだ。
むしろそんなものを目指すと疲れるだけだよ。
60%でいいんだ。60%ずつでも、五つやると300%になるよ。」

これはかみさんが勤めていたシャロム・ヒュッテの
臼井オーナーの台詞の受け売りです。
そんな言葉もウーファー達を勇気づけるようです。

そして昨夜は彼女達から真剣に質問を受けました。
「どうして、こんなに大勢のウーファーを受け入れられるの?
プライベートな時間なんて持てないじゃないですか!」
「どうしてmasanは怒らないの?
滞在中にあなたが怒ったりイライラする姿を見た事がない!
私は叱られてもいいような失敗もしているのに・・・」

その質問には次のように答えました。
「私はこれまでの人生で、実にたくさんの失敗をしてきました。
大勢の人に迷惑もかけてきました。」

「でもそんな私でも、今こんなに幸せな人生を過ごさせてもらっています。
そのことが嬉しいのです。日々、いつも感謝の気持ちで一杯なのです。
だから、あなたたちをaccept(受け入れる)ことができるのです。
私がしていることはとても簡単です。
ただ、『心を開いている』だけなのです。」

続けて、私はある物語を例に出しました。
私の大好きな物語、「Les Miserables(レ・ミゼラベル)」です。
若い頃にこの物語を読んで、
主役のジャン・バルジャンのように生きたいと願ったものでした。

特に好きなのは冒頭のシーンで、
獄刑地から逃げ出したジャン・バルジャンが教会に逃げ込み、
神父に助けてもらったにも関わらず、その神父に怪我を負わせ、
燭台など貴重品を盗んだ後の場面です。

やがて警察に捕まり、「彼が犯人ですね?」と問われた神父。
「いいえ、とんでもない。彼は私の友人です。
おお、友よ。私はあなたにもっと大切なものを渡すのを忘れていた!」
と答えて、盗んだ燭台だけでなく、他にも貴重品を与えて逃がしたのです。

この出来事はジャン・バルジャンの人生を大きく変えました。
まさに彼はこの神父によってインスパイアされたのです。
そして壮大な物語が始まります。

その話をしたところ、日本のこんな山里で
こんな話題が出るとは想像もしていなかったであろうリンは、
大層驚いていました。
でもこの物語で私自身がインスパイアされたのは本当です。

かくして、ウーフを通して実に充実な暮らしを過ごせるようになりました。
こんな暮らし、半年前でさえ想像できませんでした。
この先、一体どんな新たな発見があるのでしょうかね。
それもまたとても楽しみなことです。
Secret