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「仙人同窓会」の後、私は仙人の自宅に泊めさせていただきました。
眠る前にもダイニングルームで仙人の貴重なレクチャーを受け、
床に入ったのは日が変わる直前でした。

そして目が覚めたのは朝の4時半。
私には目的がありました。
仙人修行時代、私の受け持ちだった「ある場所」に向かうという目的が。

そこを私は「タマゴタケの山」と呼んでいました。
夏から秋にかけて、毎朝この地を訪れてはタマゴタケを採取したものです。
丁度その頃はかみさんとの婚約時代でもありましたので、
「今朝は○○個採ったよ。」と携帯メールを送るのが日課でもありました。

そして、私が自然とのつながりを強く感じたのもこの地でした。
汗まみれになって傾斜を登り切った際、
地面から両足の底に向けて「ズンッ」という力が上がってきたのを感じたものでした。

あの修業時代、私には「研ぎすまされた感覚」がありました。
今はそういう感覚は随分と鈍くなったものです。

そこで今回の旅を「リセットの旅」と位置づけてから、
「あの感覚」を再び感じてみたくって、
ともかくもその地を再び訪れると決心していたのです。
ですから前夜にいくら飲もうとも、夜が遅くなろうとも、
身体を起こして向かいました。

白み始めた山は清々しいです。
作られた道ではなく、ただ感性のおもむくままに山の中を進みます。
数年ぶりでしたが、意外に「目印」を覚えていました。
傾斜の角度、突然現れる大岩、全てが懐かしいです。
8森

残念ながらタマゴタケはまだ出ていませんでした。
わずかなヒラタケを見つけたのみです。
でも私はそれで満足でした。
9ヒラタケ

一時間半ほど歩き回りながら、キノコを探しながらも、
ここ最近の自分自身を思い返し、
そしてこれからの暮らしについてイメージしながら、山の中を進んでいるうちに、
次第に気持ちが澄んできました。

そして、その地を離れる際に、一声かけました。
「ありがとうね。」

その時、頭上で一陣の風が吹きました。
山全体に風が流れたのではなく、
まさに私の頭上の一部の木々だけがザワザワと揺れていました。
ふとその方向を見上げた瞬間、私はある声を聴いたような気になりました。

「生きろ!」

「えっ?」
もう一度その頭上の樹々の先端、小さく丸く開いた空を眺めます。
「生きろ! お前らしく生きればよいのだ。」
そんな声がしたような気がしました。
そして全身が震えるような、大きな波紋が体中に広がりました。

私は幼い頃からそんな感覚を時々感じていました。
気持ちの良い場に身を置いた時、最近だと友人のオーラソーマの会に出た時など、
尾てい骨あたりから波紋が広がるような震えを感じるのです。
今回も同じような波紋が広がったのでした。

そして、その瞬間に、とても腑に落ちたような気分になりました。
「そうなんだよな。私は私らしい人生を歩めばいいんだ。
この頃は少し考え過ぎていたのかもしれない。」

「自分の時や空間といったスペースがない。」と言いながら、
「考え過ぎていた」というのは矛盾しているかもしれませんが、
要は考えていたつもりでも、ただ焦っていたのかもしれません。

改めてその地に感謝の気持ちを伝え、私はその地を離れました。
そして場所を変えて再びある地に向かいました。
すると、そこでは見事なウスタケが私を迎えてくれました。
10ウスタケ

ウスタケは微妙なキノコです。
私たちは食用していましたが、最近は「毒」と書かれた本もあります。
ですから皆さんにオススメするようなキノコではありませんが、
その地にはわらわらとこのキノコが並んでいました。
ともかくも見つけただけ採取させてもらいました。

続いて場を変え、ある地に向かいました。
特に目当てはなかったのですが、すぐに食用キノコが見つかりました。
ヌメリコウジタケです。
11ヌメリコウジタケ

それも面白いほどにどんどん見つかりました。
このキノコをこれほども見つけたのは初めてかも。

その後、一応「毒」と書かれていますが微妙なサマツモドキなども発見。
12サマツモドキ

結局、気がつけばこの時期にしては上出来な収穫を得ました。
本当に「自然の恵みに感謝」です。
これらのほとんどは、前夜の働きを労って、
同僚の弟子・しんちゃんにあげてきました。
13採取キノコ

それにしても面白い流れだなと思います。
修行時代、頑張って探しても見つからなかったキノコが、
肩の力を抜いて山に入るとすぐに見つかるのですから。
「キノコ採りは人生の縮図だ!」とかつて感じたものですが、まさに実感します。

さてこうして八ヶ岳で得難い体験と気づきを得て、
他にも懐かしい知人や友とも再会し、
たった一夜で随分とリセットした私は、次なる目的地、河口湖に向かったのでありました。


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