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昨日「予告」しましたお話の本編です。
なっている西方いも

加子母生まれの里芋「西方いも」。
「にしかたいも」ではなく、「にしがたいも」と発音します。
「加子母のあるおばあちゃんの、西の方の畑で育つ里芋が美味い!」
と評判を生み、次第に生産者が広がっている芋です。
粘りが強く、保存がきくというのが特徴です。
いも2

加子母内でもまだ知名度が低く、
売られているのは岐阜県内でも加子母の周りの「東濃(とうのう)」、
つまり美濃の東側地区だけです。

ところが、数年前に岐阜県により「飛騨・美濃伝統野菜」に指定されたことで、
事態が変わってきました。
一昨年から中津川北商工会が地域の特産物として十品目を選定。
加子母では「ミネラルトマトカレー」と共に西方いもが選ばれました。
そして「西方いも」ブランドを広めるべく「西方いも委員会」が結成され、
討議を重ねてきました。

私はその委員の一人として昨年度から関わってきましたが、
今年度は何故か日程が合わず、会議にほとんど出席できませんでした。
そうこうするうちに晩夏あたりから西方いもの出荷が始まりました。

そして9月23日、加子母歌舞伎の日に会場にて、
西方いもの宣伝ブースが設けられました。
その隣で「もりのいえ」の店舗も出させていただきましたので、
私は自分の店のことだけで手一杯。
結局、西方いもに関してはろくにお手伝いしないままに時が流れていました。

そんな最中、西方いも委員会委員長のしんぺいさんから依頼が飛び込んできました。
「加子母歌舞伎での宣伝は成功したのだが、
この先どういうことをしていったらいいのか、方向性を示してくれないだろうか?」
とおっしゃるのです。

「了解しました。して、どういう形で?」
「一時間半ほどの講演をお願いします。ギャラもお支払いします。」
「エッ? 講演ですか?」
仲間内で講演というのも不思議ですが、ギャラが出るとは!
これは半端なことではいかんと、褌を締め直しました。
(本当に褌を締め直したのですよ。ことわざではなく。)

その後、頭の中ではつらつらとイメージを重ねてきました。
そして講演日までに二回、しんぺい委員長と打ち合わせを重ねてきました。
ところが、そのイメージを形にする時間を取れない!

皆さん知っての通り、
やれイベントだ!宅配の発送だ!ウーファーだ!お客さんだ!地域行事だ!
何よりも家族との会話だ!と、毎日全く退屈しない日々を送っています。
そんな中、かろうじて時間を作ってブログを更新しているような状態でして、
じっくりと講演資料を作るなんて時間、どこにあるの?

加えて今回は新しいことに挑戦しました。
大抵、「プレゼンテーションソフトといえばパワーポイント」
と言われるくらい、ウィンドウズの世界ではこのソフトが席巻していますよね。

今回、私はMacでプレゼンすることにしました。
で、「keynote」なるソフトを使うことにしたのですが、
初めて使うソフトって、勝手が分からないのですよ。
しかも、いつもながらマニュアルやヘルプに頼らずに使おうとするものだから、
一つひとつの作業が手間取ります。

WinとMacの両方を使ったことがある人は分かると思いますが、
両者は資料を作成する時の思想が違うように感じます。
例えば、線を引こうとした時、Winならば水平の線がすっと出てきます。
ところがMacでは斜めの線が出てきて、自分で角度を微調整して水平にしていくのです。
その結果、「359.6度」なんて角度の線が現われ、微妙に水平になりません。

一見、Macは使い勝手が悪いように思えますが、
自由度が高いので作り手のイメージに近いものが出来上がります。
つまり、融通がきくのです。
Macのそういうところが好きなのですが、でも今はそういう点こそがまどろっこしい!

ということで、なんだかんだ言って、あっと言う間に講演日が近づいてきました。
気分は、新聞の四コマ漫画の原稿を急かされている漫画家です。
さてどうするか?もうこれは睡眠時間を削るしかありません。

家族を寝かせ、ウーファーとの語らいを経て、夜中から作業開始です。
そして気がつけば朝。
四日間のうち二晩を徹夜で過ごして、
講演日の朝、ようやくプレゼンテーション資料が完成しました。
いやはや、いつから私はこんなギリギリ人生を送るようになったのでしょうね?
いや、もともとそういう性格だったか?


ともかく、前置きが随分と長くなりましたが、完成した全55ページのうち、
幾つかのページを抜粋して公開します。

まずは、西方いもを取り巻く現況について、課題を幾つか取り上げ、
お互いに認識している課題を確認させていただきました。

例えば、形状や粘りといった西方いもの特徴をいかに管理していくか?
あるいは、収穫の時期の山谷と、貯蔵や加工の時期の山谷をいかに組み合わせていくか?
また、いかにして認知活動を広めていくべきか? などなど。

その上で、これから私たちが目を向けていくべきポイントを整理しました。
それがこれです。
2西方いも

一般に、「生産(製造)」と「販売」という両輪がどこにもあって、
これらのバランスがうまくとれてこそ、商売が成り立ちます。
そのそれぞれの業務のどれか一つが突出してうまくできても、
全体としてはうまく回らないことがままあります。

例えば、ある年の収量が増えても、宣伝活動が不十分だと売れ残るだけですし、
景気よく宣伝して大量に注文が来ても、対応が悪かったり売る物がなかったら、
結局そっぽを向かれてしまいます。

また、支える人、宣伝してくれる人、消費者など、
関わる人々とのコミュニケーションをしっかりとつなぐ仕組みがないと、
「美味しかった」「楽しかった」という喜びが一時の思い出で終わってしまいます。

「まずは、ここに描かれた図の輪を小さくてもいいから完成させましょう。
それからこの輪を少しずつ大きくしていきましょう。」ということを伝えたかったのです。


次に、「加工する」「宣伝する」「受発注」「ファンづくり」のそれぞれについて、
具体例を示しながら個別の視点と企画をご提示しました。

例えば「宣伝する」に関して、
委員会の中では「東京ビッグサイトのコンベンションに出展しようか?」
という話題が出ていたそうです。

しかし私は「そういう手段は先のまた先ですし、費用対効果は見込めません。
まずは加子母人々に西方いもを知っていただき、人をもてなす時に使っていただき、
そして『加子母の新しい自慢』にしていただきましょう!」と提案しました。

それには、一年を通して加子母で開かれているイベントを全て棚卸しして、
それに積極的に参画していくことが肝要です。
また、それらのイベントで告知していくことで、
外から来る人々にアピールすることにもなります。

こんな話があります。
加子母では毎年、明治座で「クラシックコンサート」が開かれており、
名だたる演奏者が年に一度加子母に集ってくださっているのですが、
ある時、練習時に「小腹が空いた!」とおっしゃる演奏者のために、
地域の方が庭のネギを切ってきてご飯に載せて出したところ、
皆さんいたく感動され、「加子母のネギは美味い!」と評判になり、
毎年、「加子母のネギ飯」を楽しみにされているのだとか。

西方いもも、そんなドラマの一シーンに登場してくるようになると、
加子母内外で確実に認知度が高まってくると思います。
そして、次第に告知の範囲を広げていけば良いのです。
まだ内部の体制ができていない段階でいきなり大きな場に出ていっても、
大やけどをするだけです。

でも、将来的な展望を持ち、そのために何が必要かを関係者全員がイメージしておくことは大切です。
という意味を込めて、次のような表を示しました。
3西方いも

色の違いの意味に気づいていただけたでしょうか?
緑色は「西方いもそのものを知っていただく活動」で、
青色が「加子母を知っていただく活動」です。
つまり、告知範囲が広がるほど、
「西方いもを通して加子母の良さを伝えていきましょう。」という考えです。


そんな考えに立ち、「加子母の自慢まつり」の提案をさせていただきました。
これは、いわば「加子母のコンベンション」です。
季節ごとに移ろいゆく加子母の自慢を集って、加子母を満喫していただこうという企画です。
もちろん、秋には西方いもが登場します。
4西方いも

ここで大切なのは、「加子母の自慢は、物品だけではない」ということです。
まずは加子母歌舞伎や秋祭り、地区ごとの伝統などの行事があります。
伝統文化が暮らしの中に組み込まれています。
「かつてこの村にはこんな伝統文化が栄えていました。」
というような映像を観るのとは違うのです。文化が生きているのです。

そして加子母に通って来られる人々は「加子母の人がいい!」と口々に言います。
「会話をして人柄に触れた。」「笑顔がいい。」
「外の人間にオープンで前向きな生き方がいい。」
加子母の人に触れた人々は、また加子母に通ってくれます。
そこから賑わいが生まれます。
そんな「ソフト」こそが、加子母の大きな魅力であり、自慢なのです。

そんな「加子母の自慢」が一堂に会するような場を作れないだろうか?
そして、「いつ加子母に言っても面白いぞ!」という流れができないだろうか?
そんな想いを込めて提案させていただきました。
イメージしているのは「いつでもどこかで花が咲いている鎌倉」です。


そして、今回私が一番伝えたかったことに移ります。
それは、「もう、『ギブ&テイク』の時代ではない。
これからは『ギブ&ギブン』の時代だ!」というテーマです。

この話をいかにして伝えていくか?
難しいことは言わずに、身近な具体例を入れながら、自然に伝わる方法はないものか?
何度も思案して、こんな資料を作りました。

まずは、これまでの社会の形です。
5西方いも

「作り手」「売り手」は、ただ「作る」「売る」だけではないことは、
皆さん承知しています。
いわば「ぼったくり」のような商売は続くはずはなく、
お客さんとの相互コミュニケーションがあればこそ、成り立ちます。

実際に私もコンサルテーションをする際、ずっとそんな話をしてきました。
お客さんとコミュニケーションをとり、
何を求めているか?(顧客の要求事項)
どういう評価をしてくれているか?(顧客の評価)などを把握して
商売しましょうというお話です。

ところが、最近は状況が変わってきました。
お客さんとの「個別」の相互コミュニケーションだけでは
商売が成り立たなくなってきたのです。

「ギブ&テイク」と「ギブ&ギブン」の大きな違いは、
後者は見返りを求めないことです。
目の前の利益を追うのではなく、与えることに喜びを感じ、
気持ちや想いを乗せて差し出すのです。

その気持ちや想いが相手に伝わった時、
その方は私たちに感謝の気持ちとして購買してくれるだけでなく、
周りにその気持ちや想いを伝え広げてくれます。

そうすることで、結果的に「個別の相互コミュニケーション」ではなく、
まるでアメーバ状の「コミュニケーションの場」が出来上がり、
ひいては例えば西方いもが高く広く受け入れられることになります。
6西方いも

以前からも「クチコミの大切さ」は指摘されてきましたが、
これからは「クチコミこそが重要なポイント」になります。
これにはネット社会の発達があります。
情報が縦横無尽に行き交うようになったのです。

その結果、最たる事例として「カリスマブロガー」が登場しました。
企業がいくらお金をかけて「うちの商品は素晴らしいです!」と訴えても、
消費者はすぐにはうんと言いません。

ところが、愛読するブログで「やっぱりこれは良かったよ。」と書かれていると、
「このブロガーが良いと言うのならば、本当に良いのであろう。」と理解され、
消費行動に移してくれます。

先日の「なかよし家族さんの有機野菜」などは、まさに典型的な事例です。
「マクロビ界のカリスマ・ブロガーであるtenderさんがそれほどお勧めするものが、
悪いはずがない!」という捉えられ方です。

もちろん逆もあります。
カリスマブロガーが「あれは実は駄目よ。」と書くだけで、
消費者からは「やっぱりそうか。」と理解されます。
この「やっぱり」というのがくせ者でして、
特に食品業界に対する目が厳しくなっている昨今、この傾向は重大です。

この「ギブ&ギブン」の話がどれだけ今回の皆さんに伝わるだろうか?
正直言って半信半疑でした。
でも、これは私にとって外せない視点ですので、敢えて資料化し説明しました。

すると、驚くなかれ、皆さんが大きく頷いておられました。
中には「何を今更そんなことを言っておるのだ?」という顔も見られます。
その反応を見て、ますます嬉しくなってきた私でした。

そして最後にお伝えしたのが、「ドラマづくり」と「面的な展開」です。
まずは、「ブランド開発はドラマづくりと同じだ!」というお話。
ドラマには「舞台」と「役者」、そして「脚本(シナリオ)」が必要です。
そのどれが抜けてもドラマは成り立ちません。
7西方いも

西方いもで言うと、舞台は加子母、主役が西方いもで、
生産者・販売者・消費者などの役者さんが周りを固めます。
この役者さんたちがイキイキと立ち回れるだけの脚本があってこそ、
素晴らしいドラマが出来上がります。

「それをここにいる皆さんと一緒に作っていきましょう!」と声かけしました。
脚本は脚本家に任せるのではなく、皆で作る。
皆で共有することで、今、自分たちが演じている場面の位置と重要性が理解できます。
この話は、加子母歌舞伎などで皆さん身にしみて分かっているので、
難なく理解してもらえました。
それを「西方いも」に置き換えて考えるだけですからね。

そしてその次が大切です。
それは「西方いもだけで何とかしていこうとしても限界がある」ということです。

はっきり言って、西方いもだけで生計を立てている農家さんは誰もいません。
ですから西方いもに関してさほどエネルギーを注ぐ訳にはいかないのです。

それに、しんぺい委員長からも次のように依頼されていました。
「『西方いものブランド化』を通して私たちが経験していることは、
この先、他の作物や他の事柄を展開する時にも生かされるはずです。
むしろ、そういった経験と意識づけを、
まずは西方いもに関わる人々に持ってもらいたいのです。
いわば、きっかけづくりです。」

これは私の考えとも一致します。
その考えを踏まえて、次のような提案をしました。
まずは、「『加子母ブランド』という、地域ブランドを確立していきましょう!」
というものです。

「加子母」にある様々な魅力ある資源をつないで、
「加子母ブランド」なるものを面的に展開することで、
その一員である西方いもも一緒に普及させていきましょうという考えです。

この「加子母の魅力」には、
先ほど書いたように、「伝統文化」や「人柄」と言ったソフトも含まれます。
そして結果的に、「加子母って面白い!西方いもも美味しいよ!」
と語ってくれる人々が内外に増えれば御の字です。

二つ目は「水平展開」です。
例えばとして図に示したのは、
西方いもと同じくして「飛騨・美濃伝統野菜」に指定された食材と共に
PRしていきましょうというものです。
最近、コラボ(コラボレーション)とよく言われるようなことですね。

また、「里芋」という切り口でつながりを持つといった面的切り口もあるでしょう。
例えば、岐阜では「円空芋」と呼ばれる里芋があり、
市場では西方いもと並んで高値で取引されています。

この円空芋をライバル視して競うのではなく、
組んで、「里芋文化」を広めていく活動を起こすのです。
つまり、小さいパイを取り合うのではなく、パイを広げるのです。
8西方いも

他にも様々な切り口が見つかると思います。
それらの切り口をたくさん持ってつないでいるうちに、
西方いもをキーとした様々な展開が広がり、結果的に広く認知され、
そして商売が成り立つようになります。

これらの内容を中心に1時間半きっかり、お話させていただきました。
この間、皆さん熱心に聴いていただきました。
話の合間には、かみさんの自信作、
「西方いもと銀手亡のキッシュ」を振る舞いました。
西方いもと銀手亡のキッシュ

皆さんの反応を嬉しく思いつつ、
「やっぱり加子母の人たちってすごいね。分かっているね。」
と感じ入った夜でありました。

また、私自身にとっても、頭の中を整理して、地域の方々に想いを伝えることができ、
とても良い経験となりました。
睡眠時間を削って、苦手な徹夜を続けた甲斐がありました。

なお、ここでは公表していませんが、
今月から何をどうすべきかといった具体的な方策も示させていただきました。
これらの活動を継続することで、きっと西方いもは広まっていくことでしょう。
行く末が楽しみです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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