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八ヶ岳に移住した際、
「地元の区長さんには挨拶しておいた方がいいよ。」とアドバイスされたので、酒を持って訪問しました。
その時の区長さんはとても理解のある方で、
「何も無理に区に入って地元の行事に付き合うことはないよ。」と言ってくれました。
そしてゴミステーションにゴミを出すことは了解してくれました。
区に入らないとゴミを捨てられませんでしたので、この配慮は嬉しかったです。
その後も、年末に酒を持っていくことと、ゴミステーションの使用料を支払うだけで、
それ以上の行事参加要求は無く過ごせました。

ところで、八ヶ岳はあれほどリゾート化されているのに、
一つだけ驚く風習が残っていました。それは「土葬」です。
喪服姿の一団が墓地にいるのを見て、最初は不思議だったのですが、
つるはしで掘って、棺おけを埋める作業をしていたのでした。
お年寄りしかいない区に移住した50歳ほどの知人は、
「若い衆、墓を掘ってくれ」と頼まれ、真冬にガチガチに凍った土を掘ったとか。
これも地元のお付き合いの一つですね。

さて田舎でのお付き合いについては、
そこに移ってくる人のマナーもよく指摘されるところです。
丹波にいた頃、次のような話を聞きました。
田畑を含めた土地を購入したある女性、
「移ってきたら畑仕事もやりたい。」と言っていたので、
地元の人々は農作業を教えてもやろうと大いに期待しておりました。

ところが彼女が移ってきてすぐに、ブルドーザーが入ってきて整地し始めました。
見ていると、細かく分かれていた畑を一つにまとめています。
やがてそこで整然と黒豆の栽培が始まりました。
この時点になってようやく地元の人々は事情が分かりました。
彼女は都会にある菓子会社社長の娘で、その土地で収穫した黒豆を使って、
「丹波黒豆入り」の菓子を製造販売することが最初からの目的だったのです。

さてそれを知った地元の人々は怒りました。
最初から親の会社の業績を上げるためだったのか、裏切られた、という訳です。
先祖代々守ってきた土地を勝手にいじくられ、しかも皆が苦労して育てた
「丹波黒豆」のブランドが傷つけられたという思いもあったでしょう。
では、彼女のやったことは許されないことかというと、そうとも言えません。
極端な話、「自分の土地で好きなことをして何が悪い。」という理屈でしょう。
でもそんな姿勢では田舎ではやっていけない。

要は、事前に話の筋をつけていなかったことに問題があったのだと思います。
全ての人に説明することは無理でしょうし、
時が経つほどに事情が変ることもあるでしょう。
それでもやっぱり、地元の人からすると「よそから来た人」が何をし始めるのか、
とても関心があり、また不安に思うのも当然です。
ですから、「自分達がこの土地でどんな生き方をしたいのか」
を説明できるようにしておくことは、移ってくる者のマナーの一つだと思います。
その姿を見て地元の人たちも安心し、付き合い方を選んでくれると思います。
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