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「せっかく三週間も滞在するのだから、
是非、泊まりで遠方に旅しましょう!」

ツェワンさんの勧めに従い、
私たちは小旅行に出ることにしました。
目指すのは、ヌブラと呼ばれる地方です。

ヌブラは、ラダックの北部、
標高5,620mの、
道路としては世界最高地点を越えた場所にある、
渓谷地帯です。

かつては東西交易の
中継地点としても栄えたそうですが、
現在はパキスタンや中国との
未確定の国境に近いこともあり、
そのような地域では、
最近まで外国人が入れなかったそうです。

今回、その山道で峠を越え、
西進して、外国人が入れるギリギリの村、
トゥルトゥクまで行こうというものでした。

まずは山越えです。
これが凄かった。
画像で見る以上にかなりの傾斜を、
蟻の道のように敷かれた進みます。
3-0ヌプラ・山道

谷側の席に座ると、
まるで絶壁を見下ろすような
気分を味わえます。

山側の人は安心かと言うと、
さにあらず。
急傾斜に、何故か丸い大きな岩が
かろうじて止まっているのが、
進行方向に見えるのです。

例えるならば、
傾斜をゴロゴロと転がる大岩の
映像シーンを観ていて、
ポーズ(一時停止)ボタンを
押したような状態が、
延々と続くのです。

「どうしてあの岩が落ちてこないの?」
悲鳴が何度もあがります。
(実際に、帰り道には
落ちている岩もありました)

気分転換に、
絶壁をバックに記念撮影。
3-1ヌプラ・山道を行く

やがて標高5,000m級に到着。
周りは雪景色!
ガチガチに凍った雪の層が、
山を覆っています。

道路の世界最高地点は、
まるでスキー場のゲレンデのように
賑わっていたので、画像もパス。

峠を越えればmあとは下るだけです。
何名かは高山病と
車酔いの傾向が出ていたので、
急ぎ下ります。

そして、あるカフェに到着。
カフェの裏に流れる小川を見て、
私は歓声を上げました。

雪解け水が流れる両側には
背の低い草が茂り、
黄色い小さな花が咲き誇っていました。

思わず靴下を脱ぎ、
ジャブジャブと川に入って、
川の真ん中の石の上で
【トーラス体操】
をしました。
3-3ヌプラ・雪山バックに【トーラス体操】

まだ標高の高い地でしたが、
実に空気が清々しく、
薄い空気が体中に沁み渡りました。

無事、山を越え、
途中、崖に現れた滝をみて、
思わず滝行をした、
けんちゃんと私。
インド人のギャラリーが
ワイワイと写真を撮っていたとか。

辿り着いた街・デスキットは、
思いのほか、素敵な土地でした。

ホテルにチェックインして、
すぐさまデスキット・ゴンパへ!
素晴らしい光景が出迎えてくれました。
3-5ヌプラ・夕陽を浴びるデスキットゴンパ

デスキット・ゴンパから
見える景色も絶景!
最近できたという弥勒菩薩像が
輝いていました。

この像の開眼法要は、
ダライラマ14世によって
執り行なわれたとか。
3-6ヌプラ・デスキットゴンパから

デスキット集落の様子も素敵です。
3-7ヌプラ・夕陽を浴びる集落

デスキット・ゴンパにて
笛を吹くななさん。
見事な光が届きました。
3-8ヌプラ・デスキットゴンパにてななさん

帰り際、弥勒菩薩にかかる夕陽を
逆行から眺め、
ため息をつきつつ、
ホテルに戻りました。

☆☆☆
ラダックに数あるゴンパのうち、
ミラズハウスにほど近い
ティクセ・ゴンパと
このデスキット・ゴンパのみが
毎日、朝勤行をされているとか。

ならば行くしかないでしょう!
と、「明朝、参加します!」
と声を上げたのですが、
誰も乗ってきません。

そこで、私一人で行く事にしました。
早朝から喜びいさんで、
ゴンパの階段を登ります。
登り切ったところで、感動!

弥勒菩薩に見事な朝日が
届いておりました。
3-10ヌプラ・朝日を浴びる弥勒菩薩

アップしてみましょう。
3-11ヌプラ・朝日を浴びる弥勒菩薩アップ

見とれていると、お坊さんたちが
朝勤行の準備を始めました。

そのお一人が、息を切らせながら、
水を運んでおられたので、
その水タンクを運ぶお手伝いをしました。

すると、一気にお坊さんたちの
私を見る目が優しくなり、
「もうお堂に入っていいよ」
と手招きされました。

朝日がさんさんと届く、
とても居心地の良い場所に案内され、
待つことしばし。
次々と僧たちが入って来られました。
3-11ヌプラ・デスキットゴンパの朝勤行

ほどなく始まった、朝勤行。
僧たちが唱えるマントラを聞きつつ、
私は心地良い気分で瞑想していました。

やがてお経が終わり、
僧たちは朝ご飯を食べ始めました。
遠目に見るに、
「バター茶」と、「ツァンパ」と呼ぶ、
郷土料理です。

このツァンパ、はっきり言って、
好き嫌いがあると思います。
私は嫌いではないけれど、
そんなに沢山はきついなぁという印象です。

僧たちは自分の分を食べ終わると、
早速次のお経を唱え始めました。

その時になって、
私にはバター茶が出されているだけだと
いうことに、彼らが気づきました。

ここからの展開が、
とても面白かったです。

「彼は何も食べていないのか?」
「彼にもツァンパを提供しろ」
お経を唱えながら、
手招きで若い僧に指示します。

やがてやってきた僧に、
「私は器を持っていないから結構です」
と身振りで伝えると、
その様子をみていた別の僧が、
「ならば器を持ってこい!」
と指示します。

やがて、器とツァンパの材料がやってきました。
材料とは、大麦を炒って粉にしたものです。

これにバター茶を入れて、
通常は指先で混ぜて、
団子状になったものを
少しずつ口に入れて食するのです。

私の前に、粉が山盛りに盛られました。
「アチャー。こんなに食べられるかな?」
と思案していると、
その様子を僧達がずっと眺めています。

その様子から、
「彼はツァンパの食べ方を
知っておるのだろうか?」
という気配を感じました。

そこで、
「指で混ぜればいいんでしょ?」と
仕草をすると、
「彼にスプーンを出してやれ!」
と、お経を唱えるのも忘れて
指示します。

他の僧たちも、気が気でない様子。

やがて渡されたスプーンで、
私が混ぜ始めると、
ほっと一息入れて、
前を向くのでありました。
3-12ヌプラ・デスキットゴンパで出されたツァンパとバター茶

ところが今度は、
「彼は最後まで食べられるのであろうか?」
と、心配になった様子で、
そわそわと私を振り返ります。
その間、全くお経を唱えておりません。

この様子、
ビデオで撮らせていただきました。
ご希望の方には
【もりのいえ】にてお見せしますので、
お申し出下さい。

☆☆☆
こんなアットホームな朝勤行を
ご一緒させていただき、
私は大満足でホテルに戻りました。

そして、いよいよ皆で
トゥルトゥクに向けて出発です。

途中、軍の検問を通り、
橋も戦時中に使うかのような橋ですので、
緊張が走ります。
3-13ヌプラ・トゥルトゥクへの道

道中は、ただただ荒野です。
岩は陽に焼け、
「この先に本当に人里があるのか?」
と疑うほどです。

それでも希望を持ったのは、
「この地域の女性は、
美人が多いんですよ〜」との
ツェワンさんの言葉です。

通り過ぎた村でたたずむ
少女たちの姿を見ても、
期待が増します。
ちなみにこの辺りは、
全てイスラム教徒です。
3-14ヌプラ・トゥルトゥクへの道・少女たち

やがて、荒野の果て、
パキスタン国境に近い村、
トゥルトゥクに到着しました。

私は目を疑いました。
清らかな水が流れ、
川の両側はオアシスのようです。
3-15ヌプラ・トゥルトゥクの村

村中に水が巡り、
とても涼やかな風がそよぎます。
まるでホテルの庭園のよう!
3-17ヌプラ・トゥルトゥク水の庭

家々を結ぶ小道には石畳が積まれ、
まるで、「もののけ姫」の冒頭に
登場する里のようです。
3-16ヌプラ・トゥルトゥクの小道

まるで桃源郷!
「うそでしょ?」
「何であんな荒野の果てに、
こんな村が現れるわけ?」
驚愕の声が上がります。

そして案内されたゲストハウスが
超快適!
部屋を覗いて、
「ここに泊まりた〜い!」
「何で、日帰りなの?」
「最低3泊したい!」と、
不満の声が上がります。

それほどに素晴らしい土地でした。

そして驚きはこれだけでは
ありませんでした。

突如現れた少女たち。
かわいい!
3-18ヌプラ・トゥルトゥクの少女たち

実はこの後、本人達の希望もあり、
一人ずつの撮影をさせてもらったのですが、
この画像が一人歩きすることを抑えるため、
公開を控えさせていただきます。

そして、感動がもう一つ。
滝に連れてくださいました。
思わず滝行を始めた
私とけんちゃんです。
3-19ヌプラ・トゥルトゥクで滝行

この滝を登る時、
黄金色がかった虹が何本も見えました。
もう感動しまくり!
滝の水も優しかった!

こうして惜しみつつ
ホテルに日帰り帰宅した私たちは、
戻る直前にある場所に向かいました。
そこにはラクダが
20頭ほど控えておりました。
3-20ヌプラ・ラクダ1

これこそ、ツェワンさんが
U太に見せたかった光景なのでした。
かつてシルクロードとリンクしていたという
この地域らしい演出で、
今ではラクダツアーを
営んでいるのです。

U太はもう大興奮!
今回の旅で一番楽しい時だったと、
今でも語っております。
3-21ヌプラ・ラクダに大喜びのU太

こうして、
思いのほか素晴らしい体験と、
名残惜しさをふんだんに残して、
ヌブラを後にしたのでありました。
(つづく)
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