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16日の夕方は念願の野外自炊ができました。
七輪を借り、持参した地元加子母産のヒノキ炭に火をつけます。
丸干し、厚揚げ、椎茸などを焼いて
ゆっくり酒でもと目論んでいたのですが、
いざ始めると蚊がすごい。あっという間に10箇所近く刺されて、
やむなく焼くだけ焼いて部屋に持ち帰り、改めて乾杯。

夕食後しばらくすると、吉村先生が来られました。
今度はゆっくりと、一時間半以上話しこんでいかれました。
特に心に残ったのは、「無為自然」の解釈について。
「私はずっと、『無為』とは何も無いことだと思っておったのです。
 しかしある方の説の「無が為しておることが自然」を知って、
 初めて本当に理解できました。
 無とは宇宙です。つまり、宇宙のエネルギーが満ちていることが
 自然なのだと気づいたのです。
 だから、宇宙がお産をやっているのですよ。」

「それは、朝おっしゃった『宇宙は無茶苦茶なものだ』
 という話とつながるのですか?」
「そう、今の世は何でも科学的に理屈をこねて理解しよう
 としているが、そんなことでは宇宙を理解することはできない
 ということです。」

「お産の家」を始めて6年になるが、
 ここに産みに来た人や家族とこんな話をしたのは初めてですよ。
 さて、そろそろ次のお産が始まるから行きますか。」
 と去っていかれました。

翌朝5時半、助産婦のハラさんが来られ、
「あの~、院長が迎えに来られたのですけど。」
そうでした、先生は時間的に無理がなかったら、
ご自宅のあるものを見せてくださることになっていました。
飛び起き、ご自宅に伺い、骨董品が並ぶ部屋に案内されると、
それはありました。
宮本武蔵が示した「独行道」を彫った板一枚ものです。
年代はそれほど古くはないのですが、
味のある字体で19箇条が彫られています。
「世々の道にそむくことなし」に始まり、
心に染みるものが多いです。
これを先生ご用達の骨董屋さんが見つけてきたとか。

幾つかの内容についてしばし話したあと、
おもむろに「私がよく行く山里に案内しましょう。」
と誘ってくださいました。
先生の愛車・中古のマーチで出発です。
昔はポルシェに乗っていたこともあるとか。
道中も話題はつきません。
先生曰く、私には同類の匂いがするのだそうです。
「お互い、『わが・まま』に生きていますね。」と意気投合。

さて、先生お気に入りの地に到着。
市街地がほんのすぐにまで迫っているのだけれど、
かろうじて自然がまとまって残されているところでした。
朝日が綺麗です。
「いいところでしょう。私はここに何百回も来ています。
日の出前がもっといいから、明日はより早い時刻に来ましょう。」
帰りの道中も先生の過去の人生の話題などで盛り上がり、到着。
思わぬお誘いに感謝してお別れし、カミさんにその話をしていると、
またも先生登場。
「これ、あんたに合うかなぁ。」と差し出されたのが帽子です。

実は今朝、先生のご自宅に伺った時、
勧められた座布団がとても気になりました。
「もしかしてこれは酒袋?」酒を仕込む時に使う布で、
年月を経るほどにとても良い色に自然に染まるのです。
その酒袋を使った座布団でした。
「あんた、この良さが分かるのかい?」
「はい、実は酒袋で帽子を作ることができればと、
ずっと探しているのですが。」
「そうかい。酒袋の帽子は幾つも持っているから、
何なら差し上げましょうか?」
こんな会話をしていたのですが、まさかまさか。

「これは随分前に買ったものだけれど、私の頭に合わなくてね。
 あなたに合うならどうぞ。」
まるで測ったかのように私にぴったりでした。
濃茶色にまで染まった悠然とした帽子です。
ありがたく頂戴し、先生が去ったあと思わずバンザイ!
今回、息子が産まれたことが最大の収穫であることは
間違いないですが、
その次に、先生との素晴らしいご縁をいただいたこと、
本当にありがたいです。
この帽子、私にとっての「ワンピース」の麦わら帽子です。
大事に使って、使い古すことにします。

吉村先生との散歩
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